火葬場の心付けは必要?公営は職員が受け取らない例を確認

2026年10月更新:この記事は、2026年10月時点で各自治体などの公式の案内を開いて確かめた内容です。

公営の火葬場では、職員への心付けを「受け取らない」と公式の案内に書いている例が、いくつも見つかります。
この記事で確かめた7か所は、どれも心付けを断っています。
心付けを用意しなくてよいかどうかは、火葬場が公営かどうかと、その火葬場の案内で決まります。

葬儀の相談をしていると、「火葬場の職員さんには、心付けを渡すものですか」と聞かれることがあります。
初めての葬儀では、だれに聞けばよいのか、わからないものです。
この記事では、自治体や施設の公式の案内を実際に開いて、何が書かれているかを確かめました。

この記事でわかること
  • 長野市・浜松市・厚木市・茅ヶ崎市・倉敷市・大垣市・横浜市東部斎場の7か所は、職員への心付けを断ると公式の案内に書いています。
  • 民営の火葬場や霊柩車の運転手の場合は、公式に確かめられた金額の目安が見つかりませんでした。このため、金額は載せていません。
  • 迷ったときは、葬儀社に「心付けは見積もりに入っているか」「だれに渡すものか」を聞くのが安全です。
目次

公営の火葬場では、職員に心付けを渡す必要がありますか?

公営の火葬場では、渡さなくてよい例が多く見つかります。
今回確かめた7か所は、どれも職員への心付けを断っていました。

「心付け」は、「心づけ」とも書きます。
お世話になった人に、感謝の気持ちとして渡す現金のことです。
葬儀では、火葬場の職員や霊柩車の運転手などに渡す習慣があると言われてきました。

ただ、市などが運営する公営の火葬場は、利用案内に「受け取らない」と書いていることがあります。
倉敷市のように運営会社が管理する施設や、横浜市のように指定管理者に運営を任せる施設でも、同じです。
次の表は、当編集部が公式の案内を開いて、文言を確かめた例です。

施設案内に書かれていること出所と日付
長野市(大峰斎場・松代斎場・犀峡斎場)「斎場職員への『心付け』は、一切お受けいたしません。」(斎場利用の注意点)長野市の斎場のページ(2026年10月14日更新)
浜松市営斎場「斎場職員に対する心付け等は一切お断りいたします。」(その他)市の各市営斎場のご案内(2026年7月16日更新)
厚木市斎場「斎場職員への『心付け』は一切お断りいたします。」「職員に対する心付け等は一切お断りしています。」「厚木市斎場利用のご案内」(令和7年5月15日改訂版)
茅ヶ崎市斎場「職員に対する心付け等は一切お断りしています。」市のページには「職員への心づけは、一切行わないでください。」「茅ヶ崎市斎場のご案内」(2026年4月1日)、市の「ご利用にあたってのお願い」(令和5年3月31日更新)
倉敷市中央斎場「お心づけは一切お受け取りができません。」「倉敷市中央斎場 利用案内」(令和6年4月1日、運営会社の案内)
大垣市(鶴見斎場ほか)「斎場職員への金品等の心付けは、一切お断りいたします。」「斎場施設利用の取扱注意事項」(日付の記載なし)
横浜市東部斎場運営を任せる事業者への公募要項に、「会葬者、葬祭関係業者を問わず、関係者からの一切の金品(心付け)等の受領は、禁止された行為」と書かれています指定管理者の公募要項(令和7年12月)

出典:長野市 斎場(火葬場)、浜松市 各市営斎場のご案内、厚木市斎場利用のご案内(PDF)、茅ヶ崎市斎場のご案内(PDF)、茅ヶ崎市斎場ご利用にあたってのお願い、倉敷市中央斎場 利用案内(PDF)、大垣市 斎場施設利用の取扱注意事項(PDF)、横浜市東部斎場 指定管理者公募要項(PDF)

表のうち、倉敷市中央斎場は、市の条例に基づいて、PFI方式で運営会社が管理している施設です。
案内も、その運営会社の名前で出されています。
横浜市東部斎場の文は、運営を任される事業者に求める条件として書かれたものです。

公営の火葬場は、なぜ心付けを受け取らないのですか?

理由として公式の文書で確かめられたのは、横浜市の「公平な対応と市民の信頼」という一点です。
ほかの施設は、断ることだけを書いています。

横浜市東部斎場の公募要項は、金品の受領を禁止された行為としています。
その理由を、「公平な対応及び市民の信頼確保を図る見地から」と書いています。
このため、職員は心付けを「必ず固辞します」とされています。

厚木市斎場の案内は、管理や運営のきまりとして、「墓地、埋葬等に関する法律」と、これに基づく「厚木市斎場条例」を挙げています。
そのうえで、心付けを断ることを「重要事項」の中に書いています。
心付けを断る理由そのものは、案内には書かれていません。

ここで知っておきたいのは、火葬のための費用は、心付けとは別に、決まった使用料として払うということです。
たとえば厚木市斎場の案内には、火葬炉の使用料は火葬の前までに納めると書かれています。
茅ヶ崎市斎場の案内の料金表では、12歳以上の方の火葬室の使用料は、茅ヶ崎市・寒川町に住んでいた方で1体10,000円、それ以外で90,000円です(令和8年4月1日現在)。

つまり、火葬場に払うお金は、決まった使用料です。
職員への心付けは、それとは別のものとして、断られています。

火葬場に払うお金の例(厚木市と茅ヶ崎市)

使用料が決まった額であることを、2か所の案内で見てみます。
どちらも、窓口か市の定めに沿って払うお金で、心付けは含まれていません。

施設火葬の使用料(12歳以上、1体)案内に書かれている払い方など
厚木市斎場(令和7年度版)市内10,000円、市外70,000円受付窓口で、現金またはキャッシュレスで前払い。キャンセルしても返金なし
茅ヶ崎市斎場(令和8年4月1日現在)茅ヶ崎市・寒川町10,000円、それ以外90,000円火葬に伴う待合室1室は無料。追加の待合室は有料

出典:厚木市斎場利用のご案内(PDF)、茅ヶ崎市斎場のご案内(PDF)

厚木市の「市内」は、亡くなった方の死亡時の住所が厚木市内の場合です。
茅ヶ崎市の表は、亡くなった方の住所が、茅ヶ崎市・寒川町かどうかで分かれています。
火葬の料金は、住んでいた地域で大きく変わります。
くわしくは、火葬料金の記事を見てください。

心付けを断っている火葬場に、渡してしまったらどうなりますか?

案内を読むかぎり、受け取ってもらえない可能性が高いです。
渡す必要がない場面で、ご家族が気をもむことはありません。

どの案内も、職員は受け取らないという書き方です。
厚木市斎場の案内は「一切お断りしています」、茅ヶ崎市のページは「一切行わないでください」と書いています。
渡して受け取ってもらえなかった場合に何が起きるかは、いずれの案内にも書かれていません。

それでも気になる方は、火葬場の予約のときに、葬儀社へ聞いておくと安心です。
「この火葬場は、職員への心付けを断っていますか」と聞けば、葬儀社が教えてくれます。
葬儀社は、火葬場の決まりを知っているのがふつうです。

火葬場の予約の流れは、火葬場の流れの記事で説明しています。
斎場と葬儀社の関係は、斎場と葬儀社の関係の記事を参考にしてください。

民営の火葬場や、霊柩車の運転手には渡しますか?

民営の火葬場の方針は、今回は公式のページで確かめられませんでした。
金額の目安も、公的な出所のあるものは見つかっていません。

火葬場には、市などが運営する公営のほかに、会社が運営する民営があります。
民営の火葬場が心付けをどう扱っているか、公式のページで確かめることは、今回はできませんでした。
確かめられなかったことは、書かないことにしています。

業界団体の全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の解説には、次の記載があります。
火葬場への同行の項に、「霊柩車の運転手や火葬場(公営を除く)の係員には心づけを渡します」とあります。
そのあとに、「金額は地域や状況によって異なります」と続きます。

この文では、公営の火葬場は、はっきり除かれています。
これは、先に見た公営の案内と合っています。
金額については、全葬連の解説も具体的な額を示していません。

出典:全日本葬祭業協同組合連合会「葬儀・告別式の後は:出棺から火葬、埋葬までの流れと注意点」(2025年3月26日公開)

心付けの金額の相場を書いた記事は、インターネットに数多くあります。
けれども、自治体や火葬場の公式ページで、金額を示している例は見つかりませんでした。
出所がはっきりしない金額は、この記事には載せません。

葬儀社の見積もりに「心付け」が入っているとき

葬儀社の見積書に、心付けや「寸志」といった項目があることがあります。
この項目が何のためのものか、気になったときは、遠慮なく聞いてください。

聞くことは、次の3つです。

  1. だれに渡す心付けですか(火葬場の職員ですか、霊柩車の運転手ですか)
  2. その火葬場は、公営ですか、民営ですか
  3. 見積もりの金額は、実費ですか、目安ですか

答えがあいまいなときは、見積もりの内訳を書面で出してもらうとよいでしょう。
ご家族が納得してから、お願いするかどうかを決めれば大丈夫です。

事前に確かめておくことは何ですか?

次の3つを、火葬場の案内か葬儀社で確かめておくと、当日に迷いません。

事前のチェックリスト
  • 火葬場が公営か民営か。公営なら、心付けを断っている案内があるか
  • 葬儀社の見積もりに、心付けの項目があるか。あれば、だれに渡すものか
  • 火葬場の予約や使用料の払い方は、どうなっているか

当サイトの斎場データでは、種類別の館数を次のように整理しています(2026年10月時点)。
当サイトが調べた斎場1,400館のうち、公営斎場は258館、火葬場併設斎場は266館です。

ただし、当サイトの掲載は「外部の葬儀社が借りて葬儀ができる斎場・式場」が基準です。
全国の火葬場のすべてではありません。
また、斎場データの集計に、心付けの項目はありません。
心付けの扱いは、各火葬場の案内で確かめてください。

火葬場の使用料の例は、火葬料金の記事で整理しています。
当日の服装やふるまいは、斎場でのマナーの記事にまとめました。

利用案内のどこに書いてあるか

心付けの文は、案内の目立たない場所にあることが多いです。
今回見た案内では、厚木市と茅ヶ崎市は「重要事項」の項に、長野市は「斎場利用の注意点」の項に書かれていました。
倉敷市は、最後の「その他」の項にありました。

案内のPDFを開いたら、「心付け」「心づけ」「金品」の文字で検索してみてください。
見つからないときは、火葬場の事務室か、葬儀社に聞けば大丈夫です。

よくある質問

公営の火葬場なら、どこでも心付けは不要ですか。

今回確かめた7か所は、どれも断っていました。
ただし、全国のすべての公営火葬場を調べたわけではありません。
利用する火葬場の利用案内か、予約のときの葬儀社への確認をおすすめします。

葬儀社から「火葬場の職員に」と心付けを頼まれたら、どうしますか。

まず、その火葬場が公営か民営かを聞いてください。
公営の火葬場の案内は、職員が受け取らないと書いている例が多くあります。
だれに渡すものか、見積もりのどこに入っているかも、あわせて聞いてみてください。

霊柩車の運転手にも、心付けは要りませんか。

全葬連の解説は、霊柩車の運転手には心づけを渡すと書いています。
ただし、金額は地域や状況によって異なるとだけ書かれていて、具体的な額はありません。
葬儀社の見積もりに霊柩車の費用が含まれているか、あわせて確かめると安心です。

心付けの金額の目安を教えてください。

公式のページで金額を示したものが見つからなかったため、この記事では載せていません。
葬儀社に、見積もりの内訳として確かめるのが確実です。

参列者も、火葬場の職員に心付けを渡しますか。

今回確かめた案内は、遺族や葬儀社に向けた文でした。
参列者に心付けを求める記載は、見つかりませんでした。

まとめ

  • 公営の火葬場は、職員への心付けを断ると書いている例が多くあります(長野市・浜松市・厚木市・茅ヶ崎市・倉敷市・大垣市・横浜市東部斎場で確認)。
  • 火葬の費用は、心付けとは別に、決まった使用料として払います。
  • 民営の火葬場と霊柩車については、公式に確かめられた方針や金額がありません。葬儀社に内訳を聞きます。
  • 迷ったら、火葬場の利用案内と、葬儀社への質問を使ってください。

斎場や火葬場をこれから探す方は、斎場を探すや、地域から探すから、案内のページを開いてください。
公営かどうか、火葬場が併設されているかを見比べられます。

※この記事は、2026年10月時点で、自治体や施設の公式の案内を確認した内容です。心付けの扱いは、施設の都合で変わることがあります。利用する火葬場の最新の案内をご確認ください。

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